JA花き部会シンテッポウユリ部では、福岡県内で先進的な「完全共選共販制」で出荷しています。生産者の労力軽減や高品質なシンテッポウユリ出荷で有利販売に繋げています。
同部では、生産者が収穫したシンテッポウユリの選花・選別・箱詰め・出荷作業を八女市の社会福祉法人「ハイジ福祉会」に業務委託しています。委託することで、箱ごとの品質のバラつきを抑え、厳選した高品質なものを出荷でき、高単価での販売を狙えます。また、栽培面積の増加や、生産者の作業負担が軽減され栽培管理に集中することができるとともに、同法人を利用する障がい者への雇用を創出することができます。
同部は、令和元年産シンテッポウユリを15人が約121aに作付けしています。盆需要で8月上旬に収穫最盛期を迎えたシンテッポウユリは、同法人が所有するフラワーパッケージセンターに持ち込まれ、連日作業に追われました。
就労継続支援A型の同センターでは、障がいを持つ利用者15人が雇用され、作業します。蕾や葉の傷み、茎の曲がり具合を厳正にチェックし、等級ごとに分けて選別。また、花の美しさを保ったまま輸送できるよう、1束10本ずつフラワースリーブに入れて箱詰めしています。
需要が最も高かった8月9日市場売りのものは、約5万1千本が持ち込まれ、関東、関西や九州の市場に出荷しました。共選期間は10月いっぱいまで、約30万本を出荷する見込みです。
生産者は1本あたりの作業委託料を支払いますが、同センター職員によると「作業を委託した分、作付面積を拡大できることで、持ち込み数も年々増えてきていることから、生産者にとってもメリットの方が大きいと感じてもらえているようだ」と話します。
同センターでは、シンテッポウユリ以外でも、八女FPCガーベラ部が作業を委託し、年間で約200万本を出荷しています。JA花き課の担当職員は「共選共販することで、生産者個人で選別作業をした際に出る規格や品質のバラつきを防ぐことができる。今後もハイジ福祉会と協力しながら高品質なものを出荷していきたい」と話しています。