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「密苗」技術導入でコスト削減をTACが提案

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密苗田植え実証試験を行う生産者やJA関係者
密苗田植え実証試験を行う生産者やJA関係者

  JAのTAC(担い手に出向くJA担当者)

は、自己改革の基本目標の1つである「農業者の所得増大」に向けた事業の一環として、生産コスト削減による「農家手取り最大化」を図ろうと、もち米用「ヒヨクモチ」などの田植えに、苗を密植して育てた「密苗」の導入を管内の農業法人などに積極的に推進しています。

 「密苗」は、育苗箱内の播種量を増やし、高密度に育苗する技術。「密苗」を使うことで、育苗箱数の減少による資材コスト減少、育苗期間が短くなることによる作業性の向上および労力の軽減などが見込まれ、トータルコスト低減が期待できます。

 田植え時に苗の掻き取り面積を小さくすることで、植え付け本数を慣行と同じにすることも可能(作付け面積あたりの使用育苗箱数を減らすことができる:実例=従来1反あたり20箱、密苗1反あたり10箱)。また、田植え機への苗箱積み替え回数も少なくなり省力化となります。しかし、このように育苗箱、培土、農薬等の資材費の低減、作業の省力化が図られる反面、種もみ当たりの薬剤施用可能量が減少することや田植え直後が稚苗傾向にあり「穂枯れ」になりやすいなど病害虫のリスクが高まることがデメリットとして挙げられます。TACはこの対策として、播種時にカスミン液剤を高濃度泡状散布することで、種子伝染性病害菌の本田持ち込みを抑制できるとして推奨しています。

 TACでは、平成29年に行った「密苗」実証試験の結果が良好だったことを受け、管内の農業法人「百世(ひゃくせい)」へ「密苗」導入を提案。今年6月18日に導入。また、管内の農業法人「つねもち」を含む3法人へ「密苗」導入実証試験を開始しました。

 福岡県内の各JAにおいても、同技術を提案し、全農や担い手総合サポートセンターと一体となり技術導入向けた試験を実施しています。

 JAの井上哲志TACは「今後もトータル生産コスト低減による『農家手取り最大化』へ向けた提案に力を入れていきたい」と話していました。


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