令和元年度福岡県花き品評会が、12月9日に開かれ、「技術・ほ場の部(電照菊)」で、八女市の末石敏さん(61)が栽培する白菊「神馬」が、最高位の農林水産大臣賞に選ばれました。
この品評会は、電照菊の品質改善・向上を目的に毎年開かれています。福岡県や県花き園芸連合会、JA全農ふくれんなどで構成する「花あふれるふくおか推進協議会」が主催です。
出品数は全12点で、生育・開花の揃い、病害虫被害の有無、葉と花のバランス、1㎡当たりの仕立て本数、ほ場の管理清掃などを重点項目に5人の審査員が審査しました。
2年連続5度目の受賞となった末石さんは、約8.6aに「神馬」を作付け。菊の栽培を40年以上続けています。末石さんの園地では、令和元年産は天候不順の影響で、9月の定植が例年より5日ほど遅れましたが、「遅れたことで、茎の長さや太さがちょうど良い高品質な菊が昨年に比べて多かった」と末石さんは話します。
末石さんは定植前、挿し芽をして根が生えた菊を、茎の長さや太さなど3つの規格に選別します。同じ規格のもの同士を揃えて定植することで、日光が均等に当たり、品質のばらつきを減らすことができるそうです。「花も人間と同じ生き物。水管理や温度管理など、菊の生育状態を日々見ながら愛情込めて育てることが大事」と力を込めます。
JA電照菊部会では現在、年末に向けて出荷最盛期を迎えています。末石さんは消費者に向けて「菊というと葬儀需要というイメージが強いが、白い花と緑の葉のコントラストが美しいので、洋花などと合わせて気軽に家に飾って楽しんでほしい」とPRします。