中島内蔵助翁顕彰会(木下貞雄会長)が10月17日、八女市吉田にある中島内蔵助翁墓前で「中島内蔵助翁墓前感謝祭」を開き、土地改良・干拓水利に励み農家の福利増進に努めた吉田村(現八女市吉田)の中島内蔵助翁の功績をたたえしのぶとともに、後世に守り伝えようと祈念しました。
感謝祭には、顕彰会や翁の遺族をはじめ、行政や地元関係者、地元小学生など、約200人が参列し遺徳をしのびました。
神事後、同市の長峰小学校4年生児童らが、翁の生涯、功績を描いた物語「左結びの緒の草履」の紙芝居を披露し、6年生は墓前にある土俵で奉納相撲を行いました。
1650年ごろ、吉田村は大雨による洪水が起こるたびに市内にある山ノ井堰の決壊で田畑に被害が発生していました。被害により水稲農業ができなくなった農民たちは生活が困窮していました。1652年、中島内蔵助翁は水神の怒りを鎮めるため、自ら人柱に立ち入水。以後、決壊することはなくなったといいます。翁の墓は、遺言により地元の田畑が一望できる高台に建てられています。
木下会長はあいさつで「8月と9月に発生した台風や大雨の被害を乗り越え、今年もなんとか稲作の実りの秋を迎えることができた。これもひとえに中島内蔵助翁の勇気ある決断によるもの。今後も顕彰会は翁の鎮魂を胸に、遺徳を末永く伝えていきたい」と話していました。