JAなす部会は9月3日、筑後市のJA筑後地区センターで「平成30年度JAなす部会総会」を開き、部会員やJA担当職員ら約120人が出席しました。
総会で30年度の事業報告・収支決算、令和元年度事業計画・収支予算など全4議案を承認後、東京青果㈱の内山桂寿氏を講師に招き、「なすの流通と選ばれる産地を目指して」を演題に記念講演を開きました。
同部会は、夏秋ナスを44人が約4ha、冬春ナスを93人が約18haで作付け。高品質・安定生産を目指し、タキイ種苗育成品種「PC筑陽」の作付けを推進しています。30年度は管内夏秋ナスで74%、冬春ナスで85%作付け。令和元年度は夏秋ナスで88%、冬春ナスで98%が作付け予定となっています。「PC筑陽」は、高い単為結果力で、安定的に着果肥大するので着果作業を省力化することができます。また、果実のヘタや茎葉など、植物体すべてにトゲがほとんどない長ナス品種なので、管理作業や収穫、袋詰めでの作業性の向上が見込め、ヘタのトゲによる荷傷み(傷果)が少なくなります。果形は「筑陽」と同等のボリュームのある太長果形。石ナスや曲がり果の発生が少なく、果揃いにすぐれ、秀品率が高い。果色は濃黒紫色で、つやがよく、色ボケ果の発生が少ないなどの多くのメリットがあります。 ※冠名のPCはparthenocarpy(単為結果)に由来します。
30年度は、生産面での課題を残した。近年、コナジラミ等の害虫の発生が多くなっており、害虫対策として天敵導入を進めています。露地作においては、土着天敵の導入試験に取り組み効果を検証しています。
また、産地の信頼を守るために30年度より「GAP」の記帳(食品・農作業の安全、環境保全)に取り組んでいます。元年度は、栽培期間を通し、全戸残留農薬検査を実施、トレーサビリティシステムによる精度の高い管理、チェック体制の強化を図り、「県GAP」に準じた(生産工程管理)記帳を行い、安全安心な「ナス」作りを目指します。
益本秀明部会長は「部会では、GAPへの取り組みを強化しており、安全・安心なナスの安定生産を目指している。『PC筑陽』栽培面の課題を1つ1つ解決し、さらに高品質なナス作りに力を入れていこう」と力強く話していました。
9月5日、八女市立花町のJAなす広域選果場に夏秋ナス150kgを持ち込んだ、立花町の高山宗茂さん(52)は「8月下旬からの長雨で栽培管理は大変だが、高品質なナスを出荷できるよう頑張っている。これから秋ナスシーズンとなり、ボリュームのあるおいしいナスがお店に並びますのでぜひ食べてみてください」と笑顔で話していました。