福岡県内のイチゴ「博多あまおう」生産量の3分の1を占めるJAいちご部会で、花芽分化を促進する株冷(暗黒低温処理)作業が盛んです。
株冷作業は、コンテナに入れたイチゴ苗を低温貯蔵施設の真っ暗な場所に、約25日間入庫することで花芽分化の時期を早める育苗法です。
同部会では、安定した出荷量の確保や収量アップに向け株冷処理に毎年取り組んでいます。普通育苗と株冷、夜冷処理した苗を定植し、11月中旬からの出荷やクリスマス、年末などの需要期に合わせた出荷による有利販売を目指します。
9月1日と2日、立花町のJA低温倉庫では、生産者が持ち込んだ早期作型のⅣ型の苗(9月中旬に定植、11月上中旬に収穫)が入った約5,000個のコンテナが、かん水など陽光処理を施した後、入庫されました。
令和元年産苗は、日照不足の影響はあるものの、小まめなかん水管理、肥培管理など生産者の徹底した育苗管理により、例年通りの高品質な仕上がりを見せています。
定植前の花芽検鏡は黒木地区など中山間地域を皮切りに9月上旬から始まり、定植作業も同時期を予定。定植のピークは9月中下旬を見込んでいます。
JA園芸指導課の担当職員は「充実した苗を作ることで、花つきを良くし、需要期に向けた高品質なイチゴ出荷に備えたい」と話していました。