八女市亀甲地区の釈迦堂で4月8日、釈迦(しゃか)の生誕を祝う「釈迦堂甘茶まつり」が開かれました。このまつりは、同地区で昔から毎年4月8日に開く伝統行事です。
まつりは、色鮮やかな草花で飾った花御堂(はなみどう)の中に釈迦誕生の姿を現した約15cmの像を飾ります。そして、ひしゃくで甘露の雨を模した甘茶を頭上から注ぎ釈迦の生誕を祝うものです。
釈迦の誕生を喜び9匹の龍が天に現れ甘露を降り注いだという言い伝えから始まっており、毎年亀甲地区4組の隣組が当番制でまつりを開き、伝統を守っています。
甘茶は、地元の老人クラブが栽培したヤマアジサイの変種「小甘茶」から作ったものです。6月頃葉を摘み、汁が出るまで揉み、搾って陰干しします。漢方薬にも使用されることがあり、口当たりが良くまろやかな甘味が特徴です。
まつりは、毎年地域内外に住む幅広い年齢層の参拝者でにぎわいます。持参した水筒やペットボトルなどに甘茶を入れ持ち帰る参拝者も大勢いいます。
主催者の一人である斉藤正行さん(72)は「今年の甘茶は天候に恵まれ出来が良い。大事な地域の行事なので絶やさずに今後も続けていきたい」と話していました。