JA葉わさび研究会で、春を告げる高級食材、花ワサビの出荷が順調です。今年産は暖冬の影響で成長が早まり、例年より約1カ月早い1月7日から出荷が始まりました。2月6日には、生産者の仁田原石義さん(83)、マツエさん(80)夫妻が57袋(1袋100g)をJA矢部集荷場に持ち込み、福岡・山口県内の市場に出荷されました。出荷最盛期になる3月以降は、関東や関西の市場にも出回ります。約4,200袋の出荷量を見込みます。
八女市矢部村の自然豊かな環境を生かし栽培される花ワサビ。爽やかな香りと後味の良い辛味が特徴です。全国的に生産者が少ないことから、市場からの需要が高く、時期によると、1袋400円以上の高値で取引されることもあります。今年産は、芽の休眠が充分だったことで株付き、茎の太さとも昨年以上の高品質な出来に仕上がっています。
同研究会は、今年産は9人が作付け。無加温ハウスを中心に栽培します。育苗や定植を共同でするなど、花ワサビを同村の特産品として振興しようと研究会全員で取り組んでいます。また、女性部が2月末に瓶詰めしたワサビ漬けを、JA農産物直売所「よらん野」などで販売しています。
仁田原さん夫妻は標高700mの中山間地で、ワサビを10年以上栽培し続けています。ワサビ栽培が生きがいだと話す2人は「毎年ワサビの花が咲くと、春が来たと感じる。花ワサビ特有のピリッとしたおいしさを多くの人に味わってほしい」と話していました。
同研究会では今後、3月下旬から葉ワサビ、5月以降から茎ワサビの出荷リレーが続きます。