JA筑後地区センターは10月16日、同敷地内で「益田素平翁頌徳祭」を開きました。稲作における螟(めい)虫害の研究、対策に尽力した郷土の偉人、益田素平氏の功績をたたえしのぶとともに、後世に守り伝えようと祈念しました。
頌徳祭には、農業関係者や益田氏の遺族をはじめ、行政やJA職員など、54人が参列し遺徳をしのびました。
頌徳祭終了後、筑後市の二川小学校5年生児童らが、益田氏の功績を記した紙芝居を披露した。児童が順番に読み手になり、時折、みんなで声を合わせて、分かりやすく伝えました。
また、同小学校を代表して、宇戸田龍之介くん(11)が玉串を奉納しました。
同校では、4年生時から総合学習の一環として、益田氏の功績について学んでいます。
益田氏は、筑後市出身の農学者で、当時、稲枯れの原因だった「螟虫(ガの一種)」を研究し、作期をずらして虫害を回避させ、穂枯れの発生を軽減する「遁(とん)作法」を発明。さらに研究を重ね、虫が潜む稲株を掘り取り焼却するといった駆除方法を広めました。この方法は、農薬が開発されるまでの間、広く行われました。
中山世一JA筑後地区理事代表は、「益田氏の功績をたたえしのぶとともに、消費者を起点とした米販売戦略の策定、地域が主体となった担い手作りによる持続可能な農業の実現を目指し、水田農業の振興と担い手の育成に関係機関と一体となって取り組んでいきたい」と話していました。