JAかんきつ部会で9月17日から、福岡県で育成した極早生種「早味かん」の出荷が始まりました。じょうのう膜(内側の袋)が薄く、甘さと食べやすさが魅力の「早味かん」は部会が出荷するミカンのトップバッターを飾ります。令和元年産は生育期の降雨が多かったことで糖度が心配されたがシートマルチ栽培による土壌水分の調整と適期収穫により糖度10度以上で減酸が良く、食味良好に仕上がっています。いよいよ到来したかんきつシーズンに産地の期待も高まっています。
同部会は、今年産ミカンは350人で430haを作付け。「早味かん」で生産量約800t、ミカン全体では約7,400tを目指します。
立花町北山のJAかんきつ選果場には17日、約50tが持ち込まれ、選果員や糖度・酸度・腐敗センサーで厳密に検査された後、関東・関西地方を中心に全国の市場へ出荷されました。9月下旬から10月中旬に出荷最盛期を迎えます。
同部会では、透湿性シートマルチを使い土壌水分を制御し、早期の摘果で果実の大きさを揃えることで、糖度が高く高品質な「早味かん」作りに努めます。また、標高60~300mの標高差を生かした品種導入を進め、極早生・早生・高糖系を半年以上の長期出荷を行っています。
販売面では腐敗センサーを活用し、果実品質の安定に努め、産地から店舗まで最終販売先の確認ができる販売を目指します。
同部会の松﨑智明部会長は「早味かんの出荷を皮切りに、来年まで出荷リレーが続いていく。最後まで高品質な八女産ミカンの安定供給に努めていきたい」と話していました。
今後は、糖度11度以上の「華たちばな」をはじめ、一定期間、低温貯蔵し濃縮された甘みが特徴の「蔵出しみかん」など、3月までの出荷リレーが続きます。