JA花き部会りんどう部で、6月8日から始まった矢部村の特産「矢部りんどう」の出荷が本格化しています。この日は、同村のJA集荷場に約1,700本が持ち込まれ、福岡県内の市場に出荷しました。彼岸需要のある9月下旬に出荷最盛期を迎え、10月下旬まで続きます。ハウス・露地栽培合わせて、昨年よりも1万本多い約10万本の出荷を見込みます。
同村の夏季冷涼な気候を利用し栽培する「矢部りんどう」。鮮やかな青紫色の花が特徴で、昼夜の気温差が大きいほど色艶が増し美しい花ができます。
この日集荷場に持ち込んだ原嶋実知雄さん(66)は、今年産の出来について「比較的涼しい天候に恵まれ、花焼けや病害虫などの被害もなく順調に収穫が続いている」と手応えを口にしています。
同部は、今年産は3戸が約35aを作付け。種子の採取や育苗に力を入れており、出来の良い厳選した種子のみを採取し、共同の育苗施設で苗を育てています。今年産からより高品質な苗を求めて、長野県の業者から取り寄せ栽培を始めています。また、県で有数のリンドウ産地である同村では、県内外から生産者や市場関係者などが視察に訪れ、栽培に関する情報を活発に交換しています。
原嶋さんは、同村の標高約500mの中山間地で栽培。年間で約5万本を出荷しています。原嶋さんは「『矢部りんどう』は盆や彼岸などの供え物だけでなく、フラワーアレンジメントとしても人気がある。花持ちも1週間前後と良いので、飾って楽しんでほしい」と話していました。