JAかんきつ部会が1月23日、九州で初めてタイ王国(以下タイ)へミカン約1tを輸出しました。
タイは、ミカンバエの寄主植物の日本産柑橘属性果実の輸入を禁止しています。輸出するには、生産地域においてタイ植物検疫法に係る告示に基づくモニタリング調査を行い、ミカンバエの無発生の確認の上、防疫所からの生産地域の指定を受け、さらにタイ側の認可が必要となっています。
JAと同部会は、タイへのミカン輸出に向け、農林水産省門司植物防疫所や福岡県、八女市、JA全農ふくれんと連携し、平成26年から誘引剤等を使ったトラップ調査によるモニタリング調査でミカンバエの無発生を確認しており、タイが求める条件をクリアしているとして今回、全国で3県目、九州からは初めてのタイ輸出が決まりました。
輸出したのは大玉でおいしく食味が良いのが特長の「青島温州」。サイズは3Lで直径8cm以上とビックサイズ。129箱(1箱:8kg)が北九州空港から沖縄空港経由でタイへと空輸されました。
このような厳しい輸出検疫条件や空輸経費などの課題もある中、タイへの輸出を実施した背景には、「日本のおいしいミカン」をタイで広く知ってもらい、アジア圏での販路をさらに拡大させたい狙いがあります。
松崎智明部会長は「外国からさまざまな作物が日本に入ってきている中、国内のミカン流通については出荷量の関係で価格差がある時期もあり、その中での輸出というのは一つの手だと考える。福岡八女のおいしいミカンをタイの人々に食べていただきたい」と話していました。