JA筑後地区センターと筑後市が10月10日、筑後市常用の大正院墓所内で「大正院顕彰祭」を開きました。大正院は近世の僧侶で、諸国行脚の途中に常用地域に立ち寄り、イグサ栽培を広めたといわれています。このイグサを使った畳表が筑後地区の特産品として大きく発展した功績を称え、毎年10月に式典が行われています。
顕彰祭には、農業関係者や流通関係者をはじめ、行政やJA職員など、約20人が参列し遺徳をしのびました。
福岡県のイグサ栽培は、筑後市や柳川市、大川市など冬季の水が確保しやすい水田地帯で普及し、昭和50年頃は県内で2,000haを超え、「緑のダイヤ」と言われ筑後地方の農家経営を支えました。しかし、生活様式の変化や外国産イグサ・畳表の輸入等により激減し、平成29年産の栽培面積は約13haとなっています。
中山世一筑後地区理事代表は、「400年前、大正院により筑後の地にイグサ栽培を伝えていただき、代表的産地となり発展することができた。しかし、近年、外国産イグサの影響を受け、生産農家は、年々減少している。大正院がこの地に残したイグサ栽培の技術をさらに向上させていくことこそが、功績をたたえしのぶことになるのではないかと思う」と話していました。